検索
  • VWL.

仮想環境へのシフトを考える(9)メディアシンクロニシティ論

最終更新: 5月29日

本エントリーはVWL.のTwitterで記載したVirtual Workplaceに関する学術文献を簡易的にまとめたものです。その他の文献情報については、Twitterをフォローいただければと思います。 今回のテーマは「メディアシンクロニシティ論」です。仮想環境で仕事をすることは、どのようなメリットをもたらし、どのような課題やリスクを生み出すのかを考えるうえで有益な知見を紹介します。 ――――― ■はじめに コミュニケーションメディアの選択について、示唆を提示するメディアシンクロニシティ論を取り上げます。メディアリッチネス論よりも、実践的な視点で適切なコミュニケーションメディアの選択に対する示唆を提供してくれます。 ――――― メディアシンクロニシティ論とは メディアシンクロニシティ論とは ・メディアによって異なる特性がコミュニケーションのパフォーマンスにどのような影響を与えるかを説明したもの。 Dennis et al. (2008)

メディアシンクロニシティ論の主張① ・メディア特性がコミュニケーションのニーズと合致していることで、コミュニケーションにおける同調性が高まり、パフォーマンスが高まる。 Dennis et al. (2008) メディアシンクロニシティ論の主張② ・メディアの選択は、タスクのニーズによって切り分けるべきではない。 ・タスクの進行時に求められるコミュニケーションニーズに応じて選択すべき。 Dennis et al. (2008)

<ここまでのまとめ> コミュニケーションメディア(電話・メール・チャット・WEB会議等)を、タスクによって使い分けるのではなく、何を目的としたコミュニケーションなのか(コミュニケーションニーズ)に応じて峻別すべき、というのがメディアシンクロニシティ論の主張です。 ――――― ■伝達・収束を意識したメディア選択 メディアシンクロニシティ論の主張③ ・コミュニケーションにおけるニーズは、伝達(conveyance)収束(convergence) の度合いに注目すべきである。 Dennis et al. (2008) メディアシンクロニシティ論の主張④ ・伝達(conveyance) →新たな情報を一度に大量に伝えること。 ・収束(convergence) →意味の理解を確認し、合意を得ること。 Dennis et al. (2008) メディアシンクロニシティ論の主張⑤ ・伝達と収束によって構成されるコミュニケーションのニーズを踏まえて、適切なメディア選択をしていく必要がある。 Dennis et al. (2008) メディアの持つ機能を分類 ・機能に応じて媒体を組み合わせた方が効果的である。   →高い情報伝達力を持つ媒体は… 一般的に低い再処理能力を持つ傾向がある。   →反対に、情報伝達力が低い媒体は… 再処理能力が高いケースが多い。 Dennis et al. (2008) たとえば、WEB会議は、 聞き手が適宜質問や確認を挟めるので収束(convergence)のプロセスは効率的。 しかし、一度に大量の情報量を送信できないので 伝達(conveyance)のプロセスは劣る、と解釈できる。 Ballard and Seibold (2004) 非同期メディアは… 伝達(conveyance)に利用されることに適している。 同期メディアは… 収束(convergence)に利用されることに適している。 Murthy and Kerr (2003) コミュニケーションニーズに適合するメディアが選択されれば、チームのコミュニケーションパフォーマンスは増大すると報告。 DeLuca and Valacich (2006) <ここまでのまとめ> メディアの特徴によって、どのようなニーズを満たせるかが変わります。伝達・収束のいずれの目的を果たすコミュニケーションなのかを考えてメディア選択を行う必要があります。 ――――― ■メディアの持つ機能と特徴 メディアの持つ機能を分類(1)symbol sets ・顔の表情、声のトーン、画像、タイピング、ボディランゲージのメディアを通してコミュニケーションをとれる能力。媒体によっては、複数のシンボルセットを使用できるものもある。 ・自然(naturalness)なシンボルセットは、集中力を高め、両者の強調関係を高める。 Dennis et al. (2008) メディアの持つ機能を分類(2)parallelism ・同時並行で、多数の相手とコミュニケーションをとることができる多方向性。

例)電話は、単一方向のコミュニケーション。チャットやWEB会議は、パラレルなコミュニケーション。 Dennis et al. (2008) メディアの持つ機能を分類(3)transmission velocity ・意図した受信者に瞬時にメッセージを届けることができる能力。 Dennis et al. (2008) メディアの持つ機能を分類(4)rehearsability ・リハーサビリティとは、メディアが送信前にメッセージを再考したり、微調整したりすることを可能にする能力。 ・リハ―サビリティが高すぎると、時間の経過とともに、同調性は低下する。 Dennis et al. (2008) メディアの持つ機能を分類(5)reprocessability ・再処理性とは… 受信したメッセージを再評価できる能力。たとえば、チャット画面は、メッセージを何度も読み直したり、以前に送信されたメッセージを読んだりすることで、理解を促進することができる。 ・再処理性が高いと… コミュニケーターの応答に時間がかかり、メディアの同調能力にマイナスの影響を与え、集中力が低下する。 Dennis et al. (2008) <ここまでのまとめ> メディアは、一長一短の特徴があります。コミュニケーションを通して、その場でどのようなアクションおよびゴールを達成すべきかを踏まえて、選択していく事が求められます。 ――――― ■まとめ メディアシンクロニシティ論のポイントは、「そのコミュニケーションで何が達成されるべきか?」という問いを意識させてくれるところでしょう。何気なく習慣的にメディアを利用するのではなく、「妥当なメディア選択になっているのか?」を定期的に振り返ることも重要なかもしれません。 ――――― 本エントリーはVWL.のTwitterで記載したVirtual Workplace に関するReferenceをまとめたものです。最新のReference情報については、Twitterをフォローいただければと思います。 VWL.Twitter @LabWorkplace 最新のReference情報はこちら

15回の閲覧

運営会社

株式会社エスノグラファー
組織調査(リサーチ&コンサルティング)、マーケティング調査を提供しています。

https://ethno-grapher.com/

©2020 by Virtual Workplace Lab.