top of page
検索
  • 執筆者の写真K.SHUN

〈感想〉伊達洋駆著「オンライン採用」新時代と自社にフィットした人材の求め方を読みました。

先日、ビジネスリサーチラボ代表の伊達洋駆さんから、「オンライン採用」のご恵贈いただきました。


 ひとまず読んでから感想を……と思っていたら、すっかり日が経ってしましました(伊達さんごめんなさい)。遅ればせながら、内容を紹介しつつ、個人的な感想を共有させてください。


 タイトル通り「オンライン採用」を進めるうえでのポイントが分かりやすく整理されています。採用学研究所の代表として多くのコンサルティングに携わってきた著者の学術的・実践的な知見が散りばめられている良書です。


本書の構成とそれぞれの主な内容は次の通り。




第1章:これまでの採用

:これまでと比較したオンライン採用の特性を確認。


第2章:これからの人材募集

:訴求力の観点から、OBOG社員、口コミ、リファラルのアプローチポイントを整理し、説明会構成上の要点を提示。


第3章:これからの選考

:求職者との関係性を切り替える重要性と、スクリーニングの質を担保するためのポイントを提示。


第4章:これからの内定フォロー

:フォローの要点と、クロージングを行う際のノウハウの提示。


第5章:これからの採用チーム

:信頼と役割設計の重要性を提示。


第6章:これからの雇用

:コロナ禍によって高まった不確実性が労働市場に与える影響を前提に、ジョブ型やIT、AIと対峙する際に、考慮すべき要点とスタンスを提示。

 



 この本を人に紹介するならば、私は第6章について語るでしょう。


 独立して構成されている第6章。第1章~第5章までとは明らかに異質であり「オンライン採用」というタイトルから読者が想定する内容からは外れるものになっています。


 第6章は「これからの時代、雇用とどのように対峙すべきか?」という解なきテーマを主題に据えて展開しています。マクロな視座で採用そのものを眺め、流行の概念を俯瞰しつつ、冷静に雇用の未来を見据えていく、そういうチャプターです。


 読者はこのチャプターの存在によって、この本の知見はあくまでアプローチの1つに過ぎないということを再認識するでしょう。むしろ、そこから発展的な学びをつなげていくことの方が「これから」の時代では大切なのだと気づくはずです。


 コロナ禍に限らずですが、時代がターニングポイントに差し掛かると、どうしても「Tips(秘訣・テクニック等)」を求める声が大きくなります。


「これから、何をすればいいのか?」

「それは、どうやるのか?」


 こういった声に呼応して、画一的なテクニック論が台頭しがちな印象を持っています。それぞれが歩む道のりは、それぞれ違うはずなのに、なぜか同じような歩き方をお薦めする言説が流行する。


 本質的に重要なことは、そのような「Tips」にアンテナを張りながらも、独自に考え、試行錯誤のなかから解を導き出すことなのでしょう。このスタンスを身につけることだけが、これからの不確実性の高い時代をサバイバルする術になる。


 流行りの「AI」や「ジョブ型」を引き合いに出しつつ、それを嫌味なく示す第6章の存在こそが、この本の美点だと感じました。


 採用担当者だけでなく、人事担当者や経営者にも読んで学びある良書だと思います。伊達さん、恵贈いただき有難うございました。

閲覧数:6回0件のコメント
記事: Blog2_Post
bottom of page